金属3Dプリンタ造形と板金加工

金属3Dプリンタ造形と板金加工
金属3Dプリンタ造形と板金加工は、それぞれ得意とする形状や生産数が大きく異なる加工方法です。
金属粉末を溶融して1層ずつ積み上げる金属3Dプリンタに対し、板金加工は平らな金属板を「切る・折る・溶接する」ことで立体にする工法です。
それぞれの特徴を比較しながら、メリットとデメリットを解説します。
金属3Dプリンタ造形の特徴
メリット
•高い形状自由度
従来の切削や板金では不可能な、内部が空洞の構造や網目状の「ラティス構造」を一体で造形できます。
•部品の統合と軽量化
複数のパーツを溶接・組立していた製品を「1つの部品」として丸ごと印刷できるため、部品点数と組立工数を削減できます。トポロジー最適化による軽量化も強みです。
•金型レスで試作可能
金型や専用工具を製作する必要がないため、3D-CADデータさえあればすぐに1個から製作に着手できます。
デメリット
• 製造コストが非常に高い
金属粉末などの材料費が高く、装置自体も高額なため、1個あたりの製品単価が高くなります。
• 大量生産に向かない
1層ずつ積み上げるため造形に時間がかかり、量産効果(数を多く作るほど安くなる仕組み)が働きません。
• 表面のざらつきと精度
造形したての状態は肌が荒く、精密な寸法(10μmレベル)を出すには表面を切削するなどの「後加工」が必要です。
板金加工の特徴
メリット
• 量産時のコストパフォーマンス
材料(金属板)が安価で市場に流通しており、数が増えるほど1個あたりの加工コストを大幅に抑えられます。
• 高い強度と均一な品質
圧延された金属板を使用するため、内部に空洞ができにくく、材料本来の安定した機械的強度を確保できます。
• 大型製品に対応可能
装置のサイズに縛られやすい3Dプリンタに比べ、板金加工は大きな筐体やカバー、フレームなども柔軟に製作できます。
デメリット
• 形状の制限
あくまで1枚の「板」からスタートするため、厚みが均一でない形状や、複雑な曲面、中空構造などを1つのパーツで作ることはできません。
• 溶接や組立の工数
複雑な箱型や構造物を作るには、パーツを分割して溶接やリベットで繋ぐ必要があり、歪みの発生や組立工数の増加に繋がります。
まとめ
想定するケースによってそれぞれの造形方法を使い分けることが大切です。
• 金属3Dプリンタを選ぶべきケース
航空宇宙や医療分野、レース用部品など、「極限までの軽量化が必要」「部品を一体化して性能を上げたい」「複雑な曲面や内部構造がある」といった、付加価値を最優先する試作・限定品開発。
• 板金加工を選ぶべきケース
機器のカバー、ケース、ステー、ブラケットなど、「一定以上のサイズがある」「薄型でフラットな形状」「コストを抑えて数十〜数百個以上を生産したい」という、実用性とコストバランスを重視するケース。
スチウルの3Dプリンタ造形ではどちらを使用するべきか、ケースに合わせたご相談・ご提案も可能です。
スチウルでは皆様の作りたいものを実現してまいります。
見積もり依頼だけでも問題ありませんのでご気軽にお問い合わせください。
記事作成者

技師O
2019年入社
3Dプリンタ歴 約6年
3D-CAD歴 約6年
3D-CG歴 約8年
CAD/CAM歴 約半年
機械部品の設計からアート系の造形まで対応させて頂きます。
よろしくお願いいたします。

