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鉄とは

iron

 

鉄とは

鉄とは、鉄(Fe)を主成分として用いた金属材料の総称です。鉄は、強度が高く用途に応じて自在に加工しやすいなどの優れた特性を持つため、ものづくりには欠かせない素材となっております。現在、鉄道や船舶、建築、産業機械など様々な物が鉄でできており、蒸気機関やエンジンから自動車や家電製品といった日常的な物にも利用される他、服やプラスチックのように一見鉄と関わりのないように見える製品も、それらを製造する工場や設備は鉄でできています。

 

鉄の長所

①強さがあると同時に加工がしやすい。

②溶接が容易にできる。

③各種表面処理が可能で、特にメッキすることにより希少金属との組合せで錆の対策ができる。

④他の元素との組合せで特殊鋼、合金鋼などの製造ができ、飛躍的な材質改善・向上ができる。

⑤経済的に安価である。

⑥リサイクルが可能で、地球に優しい。

⑦磁性、導電性、伝熱性がある。(この特性は用途によっては、短所ともなる)

 

鉄の短所

①重い。鉄の比重は7.85で、同じ体積の水と比べて7.85倍重い。

②錆びやすい。特に水分があると顕著に加速される。

【参考】
プラスチック・・・リサイクル性、疲労強度、靭性などに課題あり。また高価である。
アルミ、チタン・・・高価であり、他の金属との併用、組合せで現在のところ課題あり。

 

薄板製品の種類

薄板製品(普通鋼)は大別すると「熱延鋼板」「冷延鋼板」「表面処理鋼板」となる。(薄板3品)

 

熱延鋼板の種類

熱延ライン巻取りのまま → 黒皮コイル、アズロールホットコイル
 ↓→スキンパス通板 → 黒皮コイル(通常無塗油)
デスケーリング

鉄の使用目的一覧

品種

使用目的(用途)

規格名称

記号(例)

備考

熱延鋼板

一般用・絞り用軟鋼板

熱間圧延軟鋼板及び鋼帯

SPHC

最も汎用性のある熱延鋼板

一般建築・構造用

一般構造用圧延鋼材

SS400

主として自動車用部品

自動車構造用熱間圧延鋼板及び鋼帯

SAPH440

プレス加工性を加味した強度鋼板

溶接鋼管用

鋼管用熱間圧延鋼帯

SPHT1

成分と機械試験値規定

圧力容器用

高圧ガス容器用鋼板

SG255

成分と機械試験値規定

屋外使用耐候用

高耐候性圧延鋼材

SPAH

Cu,Cr,Niなどを含有

機械構造用

機械構造用炭素鋼鋼材

S35C

成分規定、熱処理用

冷延鋼板

一般用・絞り用軟鋼板

冷間圧延鋼板及び鋼帯

SPCC

汎用性冷延鋼板

主として自動車用部品

自動車用加工性冷間圧延高張力鋼板及び鋼帯

SPFC390

SPFC340H

自動車外板・内板

BH鋼板

屋外使用耐候用

高耐候性圧延鋼材

SPA

Cu,Cr,Niなどを含有

特殊硬さ指定

みがき特殊帯鋼

S35CM

成分、組織、硬さ管理

 

鉄の種類

 

SS材と炭素鋼鋼材S-C系の違い

SS材

炭素鋼鋼材S-C系

引っ張り、伸びなどへの「強度」によって規定

「炭素含有量」によって規定

「引っ張りや粘り強さ」に焦点を当てた鉄鋼材料

「硬さ強さ」に焦点を当てた鉄鋼材料

 

鉄の使い分け

SS400

SS400はSS材と呼ばれる最も多く使われる鋼材の一つです。一般構造用圧延鋼材とも呼ばれます。SSの後の数字は引張強さを表しています。
鋼材の中では比較的安価で汎用性が高く、流通量も多いため入手し易いというメリットがありますが、SS材には成分規格がないため、溶接には少々不向きです。また、鉄鋼材料の中ではやわらかい材料に分類されるため高い硬度、耐摩耗性が必要な箇所にはSS400は適していません。

SPCC

SPCCは冷間圧延鋼板及び鋼帯という規格です。極低炭素の鋼材で普通鋼とも呼ばれます。SS材と比べて精度が高く、表面も綺麗ですが強度はSS材より低いです。また、板厚規格がSS材より薄く、t1.6未満はSPCCしか入手できません。

S45C

S45Cは炭素鋼鋼材S-C系の一つであり、SS材と並び、最も多く使われているです。
正式には機械構造用炭素鋼鋼材というJIS規格です。数字が炭素量をあらわしています。成分規格が明確なので、溶接性も良く、一般的な鋼材として幅広く利用されています。

 

鉄・鉄板に対する主な加工方法

一言で言うと? 特徴 加工例
切削加工 削って形を作る 加工精度が高い反面
時間がかかる
旋盤加工
フライス加工
成型加工 型を使って
変形させる
加工精度は
出しにくいが、
早く作れる
板金加工
鋳造
接合加工 材料同士を
接合する
コストが
下がりやすい
溶接
ろう付け
特殊加工 局部的に溶かす 力を加えない
「静的」な加工で、
複雑な形状や硬い材料
に向いている
レーザー加工
放電加工
熱処理・
表面処理
形を変えずに
材料の特性を変える
硬さを変えたり、錆びを防いだりする 焼入れ
焼きなまし

 

金属の比較表

元素名 アルミニウム(Al) 鉄(Fe) 銅(Cu)
軽さ 比重2.7 比重7.9 比重4.5
長所 弾性が少なく軽い、柔らかい 剛性が強く丈夫で重い、弾性もある 1.熱伝導性が良い
2.低温に強い
3.電気伝導性が良い
4.非磁性体である
5.抗菌効果がある
融点(℃) 660.4 1535 1084.5
密度/硬度 2700 kg/m3, 2.75 7874 kg/m3, 4.0 8920 kg/m3, 3.0
熱伝導度 237 W/(m*K) 80.2 W/(m*K) 401 W/(m*K)
電気伝導度 37.7×/m × 106S/m 9.93×/m × 106S/m 59.6×/m × 106S/m
耐食性 錆びやすい(ステンレスを除く) 錆びやすさは普通
(変色や緑青がある)
錆びにくい
非磁性 影響されない 影響されない 影響されない
加工性 弾性が少ないので曲げるとひびが入りやすい。柔らかいし切断しやすい。 弾性があるので薄ければ曲げやすい。密度があるため切削は大変である。アルミや真鍮の2~3倍の時間を要する。 弾性があるので曲げにも適している。切削もしやすい。
代表的な利用 1円硬貨
アルミホイル
アルミ缶
鍋、やかん
建具(窓サッシ、ドアなど)
鉄道車両(車体、吊り金具など)
自動車(ホンダNSX、プリンスR380など)
オートバイのフレーム
テルミット溶接の還元剤
鋼材

工業製品
家庭用品
装飾品など
電線や基盤の配線
エアコン
冷蔵庫
建築内装材
冷凍用機器
電線・ケーブルの材料
靴下、靴の中敷き
絨毯、マットなど

 

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